あの痛ましい事件は説明しなくてもわかると思いますが、アルジェリアで起きた人質事件に於いて今実名公表することに関して意見がぶつかっているわけですが、マスコミの自分たちの行動の正当化というのが何か腹立たしいのでちょっとばかり長文を書きたいと思います。

アルジェリア事件:実名公表、遺族から希望も 毎日jp

-アルジェリアの人質事件で、政府と日揮はこれまで、遺族が望んでいることを理由に犠牲者の氏名を伏せてきた。市民の間にも、遺族の心情を考慮して公表すべきではないとする意見がある半面、公表を望む遺族も少なくない。-


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公表を望む遺族も少なくない…ということですが、マスコミ側の言い分というのはどこか外れているんですよね。

・今回問題になっているのは「騙した事」
まずここです。
この問題で色々ありましたが一番はこれに尽きます。
遺族の方が「氏名等は公開しないでほしい」と言っていたものを全て無視して、勝手に顔写真をフェイスブックから持ってきたりして公開しましたと事後承諾を得ようとしたこと。
それでも拒否されているにもかかわらずに全国ネットで公開したこと。

この遺族の方も政府や会社の方針で公開することに関しては何ら問題ないという立場でした。
ただ、その前に勝手にマスコミ側のほうで公開されたりして周りの人に迷惑を掛けたくないというだけの事。
たったそれだけの思いを完全に踏みにじった記者の罪は重いでしょう。

・公開を望む遺族と望まない遺族を一緒くたに扱っている
当然「私たちの情報は公開しても構いません」という遺族は居るでしょう。
そしてその場合はきちんと許可を得た上で公開することに関しては何も問題無いでしょう。
しかし、一部の遺族が公開を望んでいるからといって「全員が公開してほしいとは思っていない」ということです。
そして言い訳として「認識の違い」という便利な言葉で逃げようとするマスコミの姿勢は、怒っている遺族の神経を逆なでするだけです。
認識の違いというのであれば、最初からわかりやすく言ってしまえばいいんです。
「あなたの意向にかかわらず、喋ったことに関しては全部勝手に公開します。言わなくてもこっちで勝手に調べて公開します。」と。

・事件の性格の違い
これもよく言い訳として言われていましたが、東日本大震災などで実名を公表したことで喜んでもらえただの何だのというものですね。
これは、今回の事件とは全く別な性格を持った事柄を引き合いに出しているだけに過ぎません。
大震災や無差別テロ、乗物全般の事故等に巻き込まれて、大規模な行方不明者等が出た場合は実名を公表するというのは歓迎されうるものでしょう。
なぜかといえば「私の友人もしくは家族がその地域に遊びに行っていた」「心配になって連絡をしたが連絡が取れない」など、巻き込まれた可能性のある人間が多数存在する場合です。
これは家族単位とかで行方不明になるなどして、行方を知る人が居なくなっていたりする場合に相当するでしょう。
この場合、身元がそもそもわからないことになるので、一刻もはやく身元を特定してあげることが重要になります。
大震災でもそうでした。
大規模な津波などの被害、停電などインフラが停止した影響で、誰が無事で誰がそうでないのかなどがわからなくなっていました。
また、助かった人などに関しては自分達から無事を知らせたいと願う人も多かったので、名前を出すことで無事を知らせることが出来たりしました。

これは記事内にて
「01年の米同時多発テロで銀行勤務の長男、杉山陽一さん(当時34歳)を亡くした東京都目黒区の住山一貞さん(75)は当時、銀行からの氏名公表の打診を了承した。「行方不明だったので、手がかりが得られるのではという期待もあった。起きた事実を多くの人に受け止めてもらうには、氏名が必要だと思う」。」
と書かれているように実際にその場に居たのかが分からない場合には有効です。

さて、今回の事件はどうでしょう。
確かにテロによっての被害ではあるけれども、無差別ではありませんでした。
誰がその場に居るのかなどに関しては会社の方で把握できていました。
もちろん現場の混乱で最後の最後までちゃんとした報告が出ず、非常にやきもきしていたのは事実でしょうが、基本的には誰が助かったかは分かっただろうし、死亡が確定した段階で家族には会社などから連絡は行っているでしょう。
この事件の場合、実名公表云々以前に情報が混乱しすぎていた為に、なかなか確認が取れなかったのは確かです。
軍からの攻撃があった直後などは特にそうでしょう。
しかし、彼らは身元がしっかりしています。
日揮の社員であること、そして家族が居ること等はすでにわかっているんです。

よって、実名で報道してみんなに知らせるという意味が殆どありません。
彼らに関係する人たちには会社や家族の方から連絡を取るでしょう。
この作業はマスコミの仕事ではありません。
身元などがはっきりしている以上、遺族の方々からの要望などが無い限りマスコミは関係する意味がありません。
その当たりを歪めて勝手な意見を述べているのがマスコミの言い訳に思えます。

・氏名を公表された後の混乱
そしてこれが最悪の事態です。
氏名を公表されたとなると、状況を知りたがっている記者がその家に群がります。
コメントを貰いたくて。
更には、近隣住民に聞きこみをしてまわります。
これが一回二回どころじゃなく、複数のメディアからの記者により何度もやられるわけです。
終いには盗撮までやり始めます。
勝手に家を写したり、家の中のようすを見たいがために脚立などで中を覗いたり、今回は郵便受けも開けて見たりなどということもあったようですが、犯罪でしょうこれ。
マスコミだからなんでも許されるわけではないです。犯罪は犯罪。

また、複数のメディアの人が群がるため住宅地は人でうめつくされ交通の邪魔になり、彼らの出したゴミなどが散乱することになると言うじゃないですか。
迷惑をかけるために行ってるようなもんです。

そして遺族やその周辺、親戚などには容赦なくフラッシュと質問が浴びせられます。
「今のお気持ちは?」
「このような事になってしまったことに対してコメントを」
こういうどうでもいいような質問が、少し前に家族を失った人に浴びせられるわけです。
無神経にも程があるでしょう?
それを「こっちだって遺族にコメント求めるのは辛いんだ!」とか馬鹿な反論している記者も居るようですが、自分がそれやられた立場だったらどうなんでしょうね。
悲しみにくれる暇もなく、遺体を迎えに行かなければならない、口座を解約しお金を引き出したり、死亡届出したり、葬式の手配と準備、それぞれの人への報告などなど人が一人死ぬということはとても大変なことであるのは日本人であれば分かるでしょう。
こういうような神経をしている人たちに、みんなに求められているんだとか、報道しないとダメなんだみたいな自分勝手な事を言っているのを聞くと腹立たしいです。

そしてこうなると故人の詳しいプロフィールが全国ネットで晒されます。
その情報は必要ですか?
涙を流す遺族の方たちの画。
それ、ちゃんと許可もらってます?そして無理やりその涙が欲しくて無神経な質問してませんか?
きちんとマナーというものを作ったほうがいいんじゃないでしょうか。

・どうすればいいのか
単純なことで、遺族や関係者が拒否した場合(犯罪を犯したものなどを除いて)は絶対に報道しない事。
プロフィールなども遺族がいいといった物のみを公開すること。
名前を出せない場合は役職名と性別と年齢だけで十分です。
突撃取材をしないこと。
家の前で待ち構えたりしないこと。
特にこのような遺族たちへの配慮というのはもっと徹底していいはずです。
絶対に遺族の邪魔になるような行動をさせてはいけないと思います。
記者の身分などをきちんと明かした上で許可された人だけがコメントを取れるようにすることもいいかと思います。

そして何より、このような時に暴言だったり無神経な物言いや、犯罪行為をした記者に対して刑事罰をつけること。
遺族や近隣住民たちが通報し、解決できるようにすることが重要だと思います。
何か問題を起こしても記者が処分されたなどという話は全く聞きませんし、マスコミの報道などでも謝罪などはまず見られません。
実際対応などもひどいものだと聞きますし、あまりにもマスコミ側が有利すぎます。
取材を受けた側にも勝手にプライベートを晒されるなどの被害があるので、記者に対しての罰則をつけるのが容易な状態にしてくれてもいいのではないでしょうか。
そしてメディア側の方も、記者を庇ったりせず、自分達の非を認めるなどをしてもいいんじゃないでしょうか?

長くなったけど、ここ最近の報道などを聞いていて思ったことなどです。